【本の話】黒川祥子「誕生日を知らない女の子 虐待―その後の子どもたち」集英社

人もすなるブログのブックレビューなるものを
私も書いてみたよ。
獣の奏者とか、良書には何回も出会いましたが
今回は書いてみようかと思いました。
それが表題にある本。

代理ミュンヒハウゼン症候群というものをご存知ですか。
(このブログ用のメモはiPadで打ってるんですが、早い段階で
変換候補にミュンヒハウゼンて出ますよ何なになに)
親が我が子をわざわざ病人にしたてて、
子どもや自分がまわりから特別扱いされることと、
病に立ち向かう子と、かいがいしく世話をする自分に酔う、という
親がかかる精神疾患です。そもそもこれを精神疾患と認めない専門家もいます。
なんやそれ、ですよね。
ヘンテコな話ですが、私には不思議とすんなりとそんな人の
気持ちがわかりました。
私自身に精神疾患があるせいか。まあいいか。
その、精神疾患とは認めない人は
子ども虐待の一形態であると主張します。
毒飲ませたりとかするしね。
そのお話から、「旅」と称した、著者の記録がはじまるんです。

私にはめずらしくノンフィクションです。
エッセイは時折読みますが、ドキュメンタリーですかね。
一筋縄ではいかない本でした。
私にはわりかし読んでいられたし、ぐいぐい読ませる本ですが
そのあとで、読んでいないタイミングでお腹に暗くて重いもやがたれこめる。
読むときは暗い興味をそそられ、あとになって、早く読み終わりたいと思う。
虐待された子がどう生きるのか、純粋な興味もあり、
レビューを見て怖いもの見たさもわいてきたのです。
知ることが大事だなあと改めて思うので、
野次馬根性で読んでもそれは構わないと思うのです。
あと、「虐待の連鎖」は何故起きるのかもわかってきます。
ファミリーホームというもののことも。

拓海くんのお話はドラマチック。
明日香ちゃんのお話は、ほんとうに悲しい。悲しすぎる。
沙織さんのお話……体験とこれから。つらい。
ちゃおちゃんじゃねえクズ親父。

テレビドラマの「明日ママ」は観なかったけれども、
このドラマに関する騒動がなぜ起きたのかも、見えてきます。
そして、読んでいるうちに、
この本の内容に関係あることないこと、
いろいろ思い浮かんできて、
いろんな気づきが得られました。